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当研究会についてAbout us

代表幹事より

この度、日本エピジェネティクス研究会の代表幹事を務めさせて頂くことになりました。浅学菲才の私には身に余る大役ですが、歴代の代表幹事が会員の皆さんと築き上げられた善き伝統を受け継ぎつつ、微力ながら本研究会の更なる発展のために尽力する所存です。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

本研究会は、エピジェネティクスを共通の関心としながらも様々な学会に分散して活動していた研究者達を分野横断的に統合するために2006年に発足しました。発足当時を思い起こすと、昨今のエピジェネティクス研究の深まりと拡がりには隔世の感があります。ヒトを含む動物・植物・微生物など多様な生物を用いて、発生・再生・分化・脳神経・免疫・環境応答・適応進化・疾患などあらゆる生命現象を対象に、分子・細胞・組織・個体・集団レベルでの研究が、基礎・応用の両面から活発に行われています。研究手法も次世代・長鎖シーケンシング、ゲノム・エピゲノム編集、一細胞・空間オミクス解析、クライオ電子顕微鏡などが加わり、情報解析はもとより人工知能や数理モデリングも取り入れられるようになってきました。この間、エピジェネティクスの重要性は、各学会で関連セッションが設けられることが珍しくない程に広く認識され浸透したと言ってもよいでしょう。

このようにエピジェネティクス研究を取り巻く環境は大きく変わりましたが、本研究会の活動の中心である年会は一会場での口演とポスターセッションという発足時のスタイルを踏襲しています。それは、参加者全員がエピジェネティクス全般を俯瞰した上で議論を深めることを何よりも重視してきたからに他なりません。もうひとつ本研究会が重視してきたのが次代を担う人材の育成です。若手の登龍門としての奨励賞を設けるとともに、色々な支援にも取り組んできました。この基本姿勢は今後も変わることはありません。

一方で今般のコロナ禍は、学術活動のスタイルにも大きな影響を及ぼし、様々な変化を促しつつあります。その流れも見極めながら、今後の研究会活動の在り方を幹事の先生方とともに考えてゆかねばなりません。若手のみならず女性も十二分に活躍できる研究会、学界のみならず産業界や一般の方々にもこの分野の魅力をお伝えできる研究会、多様なバックグラウンドの方々に新鮮な気持ちで仲間に加わって頂けるような研究会を目指したいと思います。そして、何よりも会員の中からエピジェネティクス研究に新局面を切り拓くような斬新な発想やアプローチが生まれることを願っています。引き続き、皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。

九州大学 大学院医学研究院 教授 伊藤隆司

九州大学 大学院医学研究院 教授
伊藤 隆司

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